8 March 2025 Bloom Now

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LOT 043

リチャード・アヴェドン

Nastassja Kinski and the Serpent, Los Angeles, California, June 14

Detail

1981 printed in 1982
ゼラチンシルバープリント
台紙にサイン、エディションナンバー、台紙裏にコピーライトスタンプ
I. 73.0 × 109.9 cm (28¾ × 43¼ in.) Overall mount: 101.6 × 135.1 cm (40 × 53¼ in.)
ED. 200
額装

Estimate¥7,000,000 - 13,000,000

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来歴: Robert Klein Gallery、ボストン/個人蔵、日本

文献: 「On the Edge: Images from 100 Years of Vogue」Random House USA、1992年、P. 232 - 233
「Evidence 1944-1994」Random House USA、1994年、P. 162 (variant)
「Richard Avedon: Photographs 1946-2004」Hatje Cantz、2007年、P. 23 (variant)

コンディション:プリント部分の状態は良好です。マットの窓枠に沿って軽いヤケがあります。中央に線状の傷があります。所々にスポッティングがありますが制作時のものです。マットと台紙に斑状、点状のシミがあります。マットと台紙の下部縁沿いにカットの跡がありますが制作時のものと思われます。額のフレーム部分に擦れや汚れの付着、塗装の剥落、アクリル板に線状の傷があります。

「蛇は彼女の体をゆっくりと巻き上がっていった。誰も蛇に指示を出しているわけではなく、自分の目で見ていることが信じられないほどだった。蛇が彼女の耳にたどり着くと、蛇は彼女にキスをし、舌を出した。そこで撮影は終わり、私は泣いていた。」
―ポリー・メレン(ファッションエディター、『US VOGUE』)

 1981年、女優ナスターシャ・キンスキーと写真家リチャード・アヴェドンがともにキャリアの絶頂期にあった頃、『US VOGUE』のファッション特集として行われた2時間にわたる写真撮影において、一つのアイコニックなイメージが誕生した。この撮影にあたり、蛇を撮影に取り入れることを提案したのは、他ならぬキンスキー本人であった。
 キンスキーと蛇が絡み合うイメージはアダムとイヴの古典的な物語を想起させると共に、普遍的な官能性を備えており、アヴェドンが写真家としての安全領域を超え、新たなクリエイティブの領域に到達した瞬間を捉えている。被写体となったキンスキーは、圧倒的な美しさと官能性を兼ね備える一方で、まっすぐにカメラを見つめるその揺るぎない眼差しから、レンズの前でも、その背後においても、冷静で主導的な存在感を放っている。
 本作が『US VOGUE』の表紙を飾った後、その反響の大きさに出版社が即座にポスター化に着手。史上最も多く生産されたポスターの一つとなり、ファッション史において頻繁に引用される象徴的なビジュアルとなった。本作はポスター作品ではなく限定200のエディションが付された貴重なファインプリントであり、アメリカ、テキサス州にあるヒューストン美術館にも同作品が所蔵されている。

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