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PRESS - 2025.04.25

「第72回SBIアートオークション|Modern and Contemporary Art」初夏の訪れを告げるオークション、芽吹く感性、躍動する色彩

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SBIアートオークション株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:藤山友宏)は、2025年5月23日(金)、24日(土)に「第72回SBIアートオークション|Modern and Contemporary Art」を開催いたします。本セールでは、国内外の第一線で活躍する現代作家の貴重な作品から、コレクター垂涎の名品まで、計308点の作品が出品予定です。春から初夏へと移りゆくこの季節にふさわしく、軽やかさと鮮やかさ、そして時に深遠な思索を誘うアート作品の数々が揃いました。

今回のハイライトのひとつは、KAWSによる大型作品《OHHH...》。世界的な注目を集め続ける現代アートの旗手KAWSならではの視覚的インパクトに満ちた一作です。洗練された色彩とフォルムで描かれた人型のシルエットは、その大きさも相まって会場を訪れる者の目を惹きつけるに違いありません。

今回のオークションのトップロット(本セールで最も高い落札予想価格をつけられたロット)2作品のうちの1つは、草間彌生による《花》。この作品は、ピンク地に張り巡らされた網目を背景に生命力と循環を象徴するような花のモチーフが強く描かれています。また、抽象絵画の重鎮・元永定正による1980年代の《きいろひかりとしろひかり》にも注目が集まります。30号サイズのキャンバスに展開される豊かな色彩のグラデーションは、元永作品に特徴的なリズムと軽妙さを感じさせ、観る者に心地よい浮遊感を与えます。

さらに、岡﨑乾二郎による《Oglalalakota Warrior/オグラララコタ戦士/Wakinyan Flapped His Wings》は、2021年に制作された、比較的最近の作品であり、力強い筆致で画面を覆うピンク、赤、オレンジ、黄緑色などの鮮やかな色彩は、画面に躍動感を持たせ、初夏にふさわしい爽やかな印象を与えます。近代美術の巨匠、藤田嗣治による《横たわる裸婦》は、フランスを拠点に築かれたその名声と、繊細な線描による描写力により、長年にわたり国内外の評価が高い藤田の魅力が凝縮された作品であり、今回のセールにおいても注目度の高いロットの一つです。

そのほか、幻想的な空間のなかに植物や自然、そして人間を描くことでも知られている平子雄一による《Perennial 15.Jul》は、森の中に静かに座る人物を囲うように鳥が描かれ、独特の雰囲気を醸し出します。アンディ・ウォーホルの象徴的なキャンベルのスープ缶が描かれた《Old Fashioned Vegetable, from Campbell Soup II》、バスキアの特徴的なモチーフである「王冠」をバンクシーが描いた《Banksquiat (Black)》、さらに近藤亜樹の色彩豊かな《ポタジュ》まで、多様な視点と手法で現代社会を映し出す作品群が勢揃いしています。

■実施概要
「第72回SBIアートオークション|Modern and Contemporary Art」
オンラインカタログ(2025年5月7日(水)公開予定)

オークション:
総出品数:308点
日時:2025年5月23日(金)、24日(土)13:00-
会場:ヒルサイドフォーラム(〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟1階)

下見会
日時:2025年5月21日(水)-5月24日(土)
会場:ヒルサイドフォーラム(〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟1階)

参加方法:会場、電話、書面、またはオンライン入札
オークション進行の視聴:YouTube Streaming

■SBIアートオークションとは



20世紀以降のコンテンポラリーアートを中心に、モダンアートや写真・デザイン・工芸など、多岐にわたりお客様のライフスタイルを彩る良品をご紹介する公開型オークションです。登録顧客の国籍は63か国、落札総額の約5割を海外顧客の落札が占める(※)など、国内随一の国際性を誇ります。日本のアートマーケットを象徴する作家の作品はもちろん、国内オークションへの出品が少ない海外作家の作品も積極的に紹介し、日本のアートマーケットの成長・拡大に取り組んでいます。(※)2025年1月現在

■オークション参加について
オークションは売却額を競り上げる方式で行われます。
初めて参加くださるお客様には、事前の登録をお願いしております。
オークションで作品を購入する方法の詳細は、以下のページでご確認いただけます。
・購入方法詳細

■今後のオークションスケジュール(予定)
・第73回SBIアートオークション|MODERN AND CONTEMPORARY ART
 開催日:2025年7月12日(土)、13日(日)

・第74回SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
 開催日:2025年9月12日(金)、13日(土)

■SBIアートオークション株式会社
美術品のオークション、売買、売買仲介、ファイナンス、アドバイザリー等、お客様のニーズに応じて、国内外の幅広いネットワークを活用した多角的な事業を展開しています。サービスの提供を通じて、より多くの方に美術品を所有する喜びや大切さ、面白さを伝えていくと同時に、美術品を永く大切にし、次の代につないでいくお手伝いをしております。

会社名:SBIアートオークション株式会社
代表者:代表取締役 藤山友宏
所在地:東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館
設立:2011年4月1日

・ホームページ
・Instagram
※当社ウェブサイトを装ったなりすましにご注意ください。



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AUCTION - 2025.04.14

【落札結果&次回出品募集】第71回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION

2025年4月11日、12日開催のオークション「LIVE STREAM AUCTION」の落札結果をご報告をいたします。
ご参加いただき誠にありがとうございました。

総額:207,874,000円
落札率:90.6%

>> 落札結果 [オンラインカタログ]
>> 落札結果 [PDF]

◆落札結果ハイライト
落札価格には手数料(消費税別)が含まれています。



Lot. 271
永井 博
Untitled
1,000,000 - 1,500,000 JPY
Price Realized 18,975,000 JPY



Lot. 343
アンリ・マティス
16 plates from the portfolio "Jazz" (Duthuit No. 22)
4,000,000 - 7,000,000 JPY
Price Realized 13,800,000 JPY



Lot. 349
ベン・ヴォーチェ
I want to do art. but I don't know what is art.
600,000 - 900,000 JPY
Price Realized 2,300,000 JPY



Lot. 258
山本 大貴
Remains of the day
3,500,000 - 5,500,000 JPY
Price Realized 4,600,000 JPY



Lot. 263
松山 智一
Spotlight Seduction
6,000,000 - 9,000,000 JPY
Price Realized 9,545,000 JPY



Lot. 256
中園 孔二
無題
800,000 - 1,400,000 JPY
Price Realized 2,127,500 JPY



Lot. 281
KYNE
Untitled
3,000,000 - 5,000,000 JPY
Price Realized 4,830,000 JPY



Lot. 257
今井 麗
BANANA
1,500,000 - 3,000,000 JPY
Price Realized 3,680,000 JPY



Lot. 351
カウズ
KAWS Bronze
2,500,000 - 3,500,000 JPY
Price Realized 2,875,000 JPY


◆開催予定と出品募集
第72回SBIアートオークション
開催日:2025年5月23日(金)、24日(土)
出品受付は締め切りました。

第73回SBIアートオークション
開催日:2025年7月12日(土)、13日(日)
出品受付締切:2025年5月15日(木)
出品をお待ち申し上げております。

査定は下記からお申込みいただけます。
ご検討くださいますようお願いいたします。
>> 査定依頼

◆問合せ先
SBIアートオークション
TEL: 03-3527-6692 FAX: 03-3529-0777
Email: artauction@sbigroup.co.jp

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NEWS - 2025.04.12

INTERVIEW アートの世界を漫画で届ける 『いつか死ぬなら絵を売ってから』作者・ぱらり先生インタビュー

創作活動の苦悩やキャラクターの成長といった、これまでのアート漫画の主題にとどまることなく、一般的に分かりづらいとされるアートの価値や価格形成の仕組みに向き合った漫画として注目を集めている、『いつか死ぬなら絵を売ってから』。2023年6月に第1巻が刊行、2025年4月16日に待望の第6巻の刊行を控えている本作の作者、ぱらり先生をお迎えし、ぱらり先生から見たアートの世界、その世界を漫画作品に落とし込むうえでのポイントや、オークションに対するお考えを伺いました。

普遍的に届くところに着地させる―漫画とアートの交差点

▷始めに、ぱらり先生のことを教えていただけますか。どうやって漫画家のキャリアをスタートされたのですか。
もともとはただのオタクで、同人活動から漫画制作をスタートしました。どうしても幸せにしたい女の子のキャラクターがいて、その二次創作のお話を描いていたのですが、次第にオリジナルも描いてみたくなって、同人誌の即売会に参加していた時に編集の人に声をかけていただいたことで、漫画家として活動をするようになりました。

▷これまでにどんな作品を描かれてきたのでしょうか。また、そこに通底するテーマなどがあれば、教えてください。
今は現実の世界を舞台にした作品を描いていますが、前作(『ムギとぺス~モンスターズダイアリー~』)は、モンスターや獣人などのファンタジーの日常をオムニバス形式で発表していました。例えば、鳥の種族の子育てとか、爬虫類の脱皮のブームとか、「もしこの作品の世界でこれが流行ったら、どういうことが起こるのか」といったようなことを丁寧に考えて描いていた感じです。
取り上げる主題は様々なのですが、一貫しているのはキャラ同士の関係性の描写の密度が高いことで、そこを好きだと言ってくれる読者の方が多いです。人と人の関係というか。リアルな世界を物語に落とし込みたいし、作品の世界観にリアリティを持たせたいと思っています。

▷漫画家として活動をするうえで、特に影響を受けた人・経験があれば、教えてください。
大きくは二人いて、一つはおじいちゃんの存在が大きかったと思います。私はおじいちゃん子だったのですが、『ドラえもん』とかを全巻揃えてくれていて、絵を描いたら、身内の贔屓目だとは思うけど、褒めてくれるんですね。当時は漫画家になりたいとはっきり思っていたわけではないけれど、そういう環境にいたから、漫画を描くという選択肢も選べたんだと思います。
もう一人は、コミティア(同人誌の即売会)に参加したとき、その当時創作活動を始めたばかりで右も左も分からない中で、漫画家のあむぱかさんという方が声をかけてくれて、私の漫画を読んで感想を直接伝えに来てくれたんです。あむぱかさんは昨年お亡くなりになってしまったのですが、私はあむぱかさんの漫画が好きだったし、そうして直接感想を聞かせてくださって、創作が楽しいことを教えてくれた方だと思っています。

▷「いつか死ぬなら絵を売ってから」ではアートをテーマにされていますが、ぱらり先生のアートとの出会いやアートに対する思いを教えてください。
アートが好きになるきっかけは、図録で見たフェリックス・ゴンザレス=トレスさんの作品です。ほかにも作品を見る機会はありましたが、ぐっときたんです。もともと絵を描くのは好きだったのですが、アートといわれるとちょっと距離があったし、よく分からないというのも正直ありました。でも、その作品を見たときに、腑に落ちた感覚がありました。フェリックス・ゴンザレス=トレスさんの作品は、一般的な絵画よりも分かりにくい作品だと思いますが、自分も知っている感覚、愛や孤独感など感じたことをこういう風に表現しているんだというのが理解ができたんです。彼の作品を通じて、人間の表現力の果てしなさをアートに感じましたし、その果てしなさをもっと見てみたいとも思った。今年、国立国際美術館で予定されていた大規模個展がなくなってしまったのは、個人的に残念でしたね。

▷とても素敵なアートとの邂逅ですね。職業柄、人の感情の機微に向き合われているぱらり先生だからこそ、そのような体験をなさったのかもしれません。情報としてではなく、感覚的に作品を受け取られた体験というのは、何ものにも代えがたいものだと思います。
アートが今の社会を映しているというところは確かにあるので、頭で見るというのもありますよね。私の場合は最初は感覚で入っていきましたが、頭でも心でも受け取れるようになって、魅力を更に感じていけるところがあると思っています。

▷今注目されている作家さんはいらっしゃいますか。
「ART FAIR TOKYO19」で見たみぞえ画廊の、弓手研平さんと柴田七美さんです。弓手さんは、見た目は柔らかく夢のような絵画なのですが、その描き方が、油彩で層を重ねて描かれていて、時間をかけたことによる重厚感があるんです。柴田さんは、シンプルなフォルムの人物画ですが、絵具の物質性を強く感じる筆跡で、お二人とも重みのあるマチエールと、描かれているものとのギャップがあるし、物質としても面白いと感じています。

▷ちょっと踏み込んだ見方ですが、ぱらり先生は、印刷・データ媒体である漫画にはない質感や質量に惹かれるというのもあったりするのでしょうか。
漫画は質感や多層性があるわけではないので、無意識にそういうところに惹かれたのかもしれないですね。自分の分野とは違う表現方法に魅力を感じたというか。生の絵画は印刷物と違って、筆の跡とかがあったり、あるいはそれを意図的に消していたりして、そういうところが気になります。

▷絵画と漫画の差異についてお話がありましたが、漫画の構図や色彩、ストーリーテリングなどに、アートの影響を感じる部分はありますか。
アートと漫画は結構影響しあっていると思います。伝統的な絵画や現代アートでも、そこで発見された表現が漫画に輸入されることもあるし、漫画が培ってきた表現方法がアートに輸入されることもある。ストーリーテリングとしては、私はビデオインスタレーション系の作家が好きなんですね。例えば、ピピロッティ・リストさんやウィリアム・ケントリッジさんとか。いずれもフェミニズム的な文脈があったり、自国の歴史に向き合ったりと、社会的な作品を創作している作家さんです。現実を漫画の世界に反映させるとき、私は、エンタメとして普遍的に楽しんでもらいたい。面白くないと漫画として成り立たないからです。先程挙げた作家さんの作品についても、その作品の社会的・文化的背景をすべて共有していなくても、伝わるものがある。そのように普遍的に届けられるところに着地させるというのが、アートと漫画に共通するところだと思っています。

▷以前、別のインタビューで、エンタメ性を持たせることでアートって面白いと思ってもらいたいと仰っておられますが、「エンタメ性」というのは一つキーワードですね。
アートに興味を持ってもらいたい気持ちと、エンタメとして私の作品を楽しんでほしい気持ちが両方あります。漫画として面白ければ、そこに描かれているもののことも面白いと思ってもらえると思うので、そのためには、まずは漫画を面白がってもらわないといけないんです。

アートを扱ううえでの説得力とフラットさ

▷『いつか死ぬなら絵を売ってから』を描いたきっかけや背景について教えてください。
自分の感じたアート体験をほかの人にも感じてもらいたいし、共感できる人が増えたら嬉しいというのがあります。もともとアートは魅力が伝えにくい分野だと思います。今はインフルエンサーが解説をしたりしていて、アートに触れる機会や方法も増えてはいますが、「私ももっと面白く伝えられるぞ」という挑戦の気持ちがあったんだと思います。

▷アートを題材とするうえで、漫画の表現として特に工夫された点はありますか。
視覚的な点とストーリー上の点があります。
視覚的な点としては、それぞれのキャラクターが作る作品の表現が、アートとして成り立っていて、かつ、それぞれの人物が制作するものとして説得力があるものであるというのは意識をしています。主人公・一希の作風も紆余曲折ありました。最初は抽象表現とか、勢いのあるペインティングも考えていたのですが、一希の性格や生きてきた道を考えたとき、自分の目で見た現実の具象表現を描くだろうと思いました。また、その中でも、モノクロ漫画として見るときに見やすいペン画に定まって行った感じです。作中の作品で一番難しかったのは、凪森くんの作品全般ですね。一希の作品はこれと決まったので、それは描きやすい。晴永さんの場合は、コンセプチュアルで本人の主張が現れる作風というので考えやすい。雲井先生も、はかない独特の世界観を確かな技術で描いている。凪森くんは、彼のフェチズムとか幼いころの憧憬を含めた作風になっているという設定はあるのですが、「あの世界で売れている絵」という説得力がきちんと出ているようにならないといけなくて。キャラが描きそうな絵+人気な絵というもう一つプラスの説得力が必要だったんです。
ストーリー上の点としては、この作品で初めてアートに興味を持つ人もいるので、印象が偏らないようには注意しています。一希が第2話で作品をごみと間違えて捨てちゃう場面があります。読者は、最初は一希に共感すると思うのですが、それで終わらせちゃうと偏った見方になるので、捨てた作品の作者である晴永さんを登場させ、そのキャラクターに作品について語らせることで、作品に関心を持たせて新しい発見に繋がるようにしています。

▷作中で登場するアーティストやマーケットの描写は、実在の人物やエピソードからインスピレーションを受けていますか。
作中では色々なパターンを描こうとしているのですが、ある程度リアリティを持たせるために、現実に活躍している人や物事を参考にしています。
例えば、もう一人の主人公である透、もとい嵐山家は、私が初めて品川の原美術館に訪れた際のイメージが強く影響しています。原美術館は、実業家が作品を蒐集して、元々は私邸であった建物を美術館として公開しているというものでしたが、そのエピソードと、実際にその場に行った時のイメージが影響しています。なので、透くんの家は実は品川にある設定なんです。
アーティストとしては、凪森くんは現代のポップアートを意識しています。その中でも松山智一さんの影響が強いです。私がもともと松山さんの作品が好きだったのもあるのですが、現代的なポップさと青年を描く画風とかは、影響を受けています。

▷読んでいる中で「あの人なのかな」と想像したりしていたのですが、答え合わせができました。読者の反響の中で、特に印象的だったものがあれば教えてください。
もともとアートに興味ある人もいれば、興味ない人、自分も買いたい人もいれば、創作活動をしている人など、色々な人が読んでくださっています。作品を読んでみて、アートに興味持ったから美術館に行ってみよう、作家活動がんばってみようというプラスの影響があったと知れたときは、嬉しかったです。
一方で、もらった反響の中で、「自分は主人公(一希)ほど絵に夢中になれないから作家にはなれないかも」というお声があったのですが、私はそうは思いません。創作活動の中で、魂を削って頑張るのも一つのナラティブに過ぎないのです。物語としては映えるのですが、一つの創作の仕方に過ぎない。本作も、一希と透の物語なだけで、その方にはその方の物語がある。その人のペースで自分の創作活動を大事にしてほしいですし、自分なりの創作活動をやってほしいと切に思います。漫画としては、応援したくなることが大事だし、好まれる主人公が大事ですが、現実の創作活動は色々なやり方があると思います。


出典:『いつか死ぬなら絵を売ってから』5巻収録18話より抜粋
©Parari (AKITASHOTEN) 2023

セカンダリーも愛のある場所

▷アートの価格がどう決まるのか、一般の方には分かりにくいことが多いですが、それについてどう感じますか。どのような反響がありますか。
アートの値段の決まり方に対する関心は高いと思います。実際に、私の作品を知識漫画として楽しもうとしている人もいます。アートとお金の関係、高くなる仕組み、市場価値など、背景情報をまずしっかり丁寧に知ってもらわないと、そのうえに乗る登場人物のドラマも伝わりにくいので、基本的なところはわかってもらおうと思って描いています。いま、楽しく読んでもらえているということは、そのあたりも理解してもらえているのだと思っています。

▷第1巻にオークションのシーンが出てきます。アートが売買の対象となることを一希(及び読者)に認識させるシーンとなっていましたが、ぱらり先生はこれまでオークションについてどのようなイメージをお持ちでしたか。また、今回、弊社のオークションをご見学いただきましたが、オークションのイメージに変化などありましたでしょうか。
あらゆるマーケット、あらゆる商品でもいえることですが、ものを売り買いする場所となると、光の面と影の面があるという考えがもともとありました。気に入った作品を手にしたいという純粋な作品愛もあれば、語弊を恐れずに言えば、主に資産として見ていて明確な愛がそこにないという人もいて、セカンダリー(オークション含む二次流通市場)は後者が多いというマイナスの印象もありました。自分がオタクだからだと思うのですが、「転売」に悪いイメージがあったんですね。漫画を描くようになって、色々な人の話を聞いたり、オークションを見たりする中で、この作品が欲しいんだなという人の顔が見えてきた気がします。セカンダリーは、プライマリーで手に入れられなかった作品を手に入れるセカンドチャンスに挑む人たちの場なので、愛のある人たちなんだなと今は思っていますし、そう信じたい。前の所有者から愛を引き継ぐような形で次の人が購入できるのであれば、それは幸せなことだと思います。作品が流通しないと作家さんもやっていけないですし、血液みたいに、流れていないと止まってしまったらよくないので。流通の仕組みは大事だと思います。そういう良い面を大事にしていきたいと思いましたし、他の人にもそう思ってほしいと感じています。

▷実際にご覧いただいたうえで、そのような見方をしていただけるのは実務者としてとても嬉しいです、ありがとうございます。最後に、新刊の見どころについて教えてください。編集の小坂さんとぱらり先生、お二人からそれぞれお願いいたします。
(小坂さん)編集者としては、1つは一希と透の関係性ですね。アーティストとパトロンの関係ですが、それだけではない二人がどうなるか。お互いに分かり合うようですれ違ったりする、人と人とのすれ違いを見ていただきたいです。2つ目は、透の執着している過去が見えてくるところが面白いと思っています。

(ぱらり先生)そうですね。6巻までの間に積み重なってきた人の関係が動く巻なので、楽しんでほしいです。あと、今回、金沢21世紀美術館と恒久展示作品を作中に登場させるにあたり、同館の方が解説を監修してくださったり、また、スイミングプールのレアンドロ・エルリッヒさんの事務所へ使用承諾をお願いしたりしました。皆さま快くご対応してくださって、感謝しています。そうした現実とリンクしている部分を見てもらえたら嬉しいです。

新刊情報


©Parari (AKITASHOTEN) 2023

ぱらり『いつか死ぬなら絵を売ってから』第6巻、ボニータ・コミックス
発売日:2025年4月16日


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PRESS - 2025.03.14

色彩とフォルムが織りなす、心を揺さぶるアートの競演-オンラインで繋がるアートシーンを楽しむのはいかがでしょうか-

SBIアートオークション株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:藤山友宏)は、2025年4月11日(金)、12日(土)に「第71回SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION」を開催いたします。今回のオークションはライブ配信型のオークションとなり、490点を超える選りすぐりの作品が一堂に会します。

春の色彩が深まり、穏やかな季節の移ろいを感じる4月、本オークションには時代を超えて愛される巨匠をはじめ、若手作家たちによる作品が多数集まりました。フランスの巨匠であり、色彩の魔術師とも呼ばれたアンリ・マティスの代表作『Jazz』シリーズより16点の版画が登場。鮮やかな色彩と自由なフォルムが織りなすダイナミズムとそのリズム感は見る者を魅了します。また、国内の現代アートを代表する草間彌生の《七色の富士—富士山、わたし大好き (Kusama 399)》も出品。赤色に染まる富士山が力強さを象徴し、背景の水色が鮮やかさを際立たせます。
ロッカクアヤコの《Untitled》では、ダンボールに颯爽と歩く女性像が描かれ、その動きの表現が魅力的です。昨年の9月のライブセールで人気を博した永井博の作品も登場。永井作品の特徴である青を基調とした画面に、建物とプール、そして緑あふれる木々や木漏れ日が描かれ、爽やかな空気感を演出します。さらに、当社オークションに初出品となる若手作家・山本大貴の《Remains of the day》は、独自のリアリズムを追求した静謐な世界観が特徴的です。また、将来を嘱望されていた夭折の画家・中園孔二は、短いキャリアのなかで約500点を残していますが、本セールでは晩年のオイルパステル作品が登場します。神秘的なエネルギーを纏う小松美羽の作品や、KYNEの洗練された女性像を描いた作品など、多彩なラインナップが揃いました。
海外作家からは、スイス出身の現代アーティスト、アンディ・デンツラーによる《Waterfall crossing》が登場。デンツラーは、油絵の厚塗りと多数の水平ラインから偶然的に生み出されるぼかしや歪みなどを特徴とした「Motion Paintings」で知られており、アーティストが生み出す独特な世界感は、人々を惹きつけます。さらに、ニューヨークを拠点に活動する松山智一の《Spotlight Seduction》が出品されます。今年の3月から作家にとって初となる東京での大規模個展が開催され、国内外から注目を集める松山の注目の一作です。
本オークションはライブ配信型のオークションとなり、どこからでもリアルタイムでご参加いただけます。新生活をスタートされる方も多いこの季節に、新たなアート作品と出会いをお楽しみください。

■実施概要
「第71回SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION」
・オークション:
・総出品数:492点
・日時:2025年4月11日(金)、12日(土)13:00-
 ※ライブ配信型のオークションとなるため、下見会の開催はございません。
・参加方法:会場、電話、書面、またはオンライン入札
・オークション進行の視聴:YouTube Streaming:https://www.youtube.com/channel/UC32a7MUOI-xI1DY-CghG-KA
・詳細情報:https://www.sbiartauction.co.jp/lp/2025_04_12/jp/(2025年3月24日(月)公開予定)

■出品作品ハイライト
※オンラインカタログ:https://www.sbiartauction.co.jp/auction/catalogue/129(2025年3月24日(月)公開予定)


■SBIアートオークションとは



20世紀以降のコンテンポラリーアートを中心に、モダンアートや写真・デザイン・工芸など、多岐にわたりお客様のライフスタイルを彩る良品をご紹介する公開型オークションです。登録顧客の国籍は63か国、落札総額の約5割を海外顧客の落札が占める(※)など、国内随一の国際性を誇ります。日本のアートマーケットを象徴する作家の作品はもちろん、国内オークションへの出品が少ない海外作家の作品も積極的に紹介し、日本のアートマーケットの成長・拡大に取り組んでいます。
(※)2025年1月現在

■オークション参加について
オークションは売却額を競り上げる方式で行われます。
初めて参加くださるお客様には、事前の登録をお願いしております。
オークションで作品を購入する方法の詳細は、以下のページでご確認いただけます。
購入方法詳細:https://www.sbiartauction.co.jp/buy-sell/buy/

■今後のオークションスケジュール(予定)
・第72回SBIアートオークション|MODERN AND CONTEMPORARY ART
 開催日:2025年5月23日(金)、24日(土)

・第73回SBIアートオークション|MODERN AND CONTEMPORARY ART
 開催日:2025年7月12日(土)、13日(日)

■SBIアートオークション株式会社
美術品のオークション、売買、売買仲介、ファイナンス、アドバイザリー等、お客様のニーズに応じて、国内外の幅広いネットワークを活用した多角的な事業を展開しています。サービスの提供を通じて、より多くの方に美術品を所有する喜びや大切さ、面白さを伝えていくと同時に、美術品を永く大切にし、次の代につないでいくお手伝いをしております。

会社名:SBIアートオークション株式会社
代表者:代表取締役 藤山友宏
所在地:東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館
設立:2011年4月1日
HP:https://www.sbiartauction.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/sbiartauction/
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AUCTION - 2025.03.10

【落札結果&次回出品募集】第70回 SBIアートオークション|Tokyo Contemporary: Redefined

2025年3月8日開催のオークション「Tokyo Contemporary: Redefined」の落札結果をご報告をいたします。
ご参加いただき誠にありがとうございました。

総額:700,430,500円
落札率:94.6%

>> 落札結果 [オンラインカタログ]
>> 落札結果 [PDF]

◆落札結果ハイライト
落札価格には手数料(消費税別)が含まれています。



Lot. 044
アンドレアス・グルスキー
Em Arena II, Amsterdam
20,000,000 - 25,000,000 JPY
Price Realized 23,000,000 JPY



Lot. 046
ジャック・ピアソン
Hope
5,000,000 - 8,000,000 JPY
Price Realized 12,650,000 JPY



Lot. 054
エド・ルシェ
That Was Then This Is Now
3,000,000 - 5,000,000 JPY
Price Realized 9,775,000 JPY



Lot. 055
ドナルド・ジャッド
Untitled (Schellmann-Jitta 298 - 301)
8,000,000 - 14,000,000 JPY
Price Realized 24,150,000 JPY



Lot. 056
ジャン・ミッシェル・バスキア (After)
Cabeza, from Portfolio II
6,000,000 - 12,000,000 JPY
Price Realized 28,750,000 JPY



Lot. 006
西村 有
runaway
1,500,000 - 2,500,000 JPY
Price Realized 7,705,000 JPY



Lot. 001
奈良 美智
The Little Thinker (No. YNF5386)
4,000,000 - 7,000,000 JPY
Price Realized 12,075,000 JPY



Lot. 034
草間 彌生
かぼちゃ
60,000,000 - 90,000,000 JPY
Price Realized 111,550,000 JPY



Lot. 038
李 禹煥
Correspondance
4,000,000 - 7,000,000 JPY
Price Realized 11,500,000 JPY



Lot. 003
岡﨑 乾二郎
ぶらりぶらり手ばなし/手鞠り
800,000 - 1,400,000 JPY
Price Realized 3,220,000 JPY



Lot. 014
千住 博
ウォーターフォール
6,000,000 - 12,000,000 JPY
Price Realized 16,100,000 JPY



Lot. 013
黒田 泰蔵
白磁花入
2,000,000 - 3,000,000 JPY
Price Realized 18,975,000 JPY

◆開催予定と出品募集
第71回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
開催日:2025年4月11日(金)- 12日(土)
出品受付は締め切りました。

第72回 SBIアートオークション|Modern and Contemporary Art
開催日:2025年5月23日(金)- 24日(土)
出品受付締切:2025年3月21日(金)
出品をお待ち申し上げております。

査定は下記からお申込みいただけます。
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SBIアートオークション
TEL: 03-3527-6692 FAX: 03-3529-0777
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PRESS - 2025.02.27

ART FAIR TOKYOと一緒に巡る!有楽町&東京駅周辺のアートスポット8選

2025年も、日本最大かつアジア最古のアートフェアのひとつである「ART FAIR TOKYO」が開催されます。国内外から多数のギャラリーが一堂に会するこのアートフェアには、古美術から現代アートまで幅広い作品が集まります。この記事では、「ART FAIR TOKYO19」の開催場所である東京国際フォーラムを中心とした有楽町と東京駅周辺の注目のアートスポットを紹介いたします。

東京駅丸の内駅舎内にある東京ステーションギャラリーは、布と紙で身近なモノを対象にした作品を数々作り出した宮脇綾子の個展「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」を開催しています。そこから東京駅の反対側、八重洲口から歩ける距離にあるのは、アーティゾン美術館。同館では、夫婦でそれぞれ創作を続け、ときには共同制作も試みた2人に焦点を当てた「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」展が3月1日より開催されます。

東京駅から有楽町へと向かう途中、人々を迎えるのは、世界で活躍する現代アーティストの作品を丸の内仲通りを中心に展示している「丸の内ストリートギャラリー」です。また丸の内仲通りから一本横に入ると、三菱一号館美術館があり、現在「異端の奇才――ビアズリー」展を開催しています。丸の内から有楽町へと移動すると日本現代美術商協会が運営するギャラリースペースCADAN有楽町があり、新進気鋭のアーティストたちの作品を紹介しています。現在3つの展示、「新平誠洙 by ARTCOURT Gallery」、「高瀬栞菜個展「Read Your Diary」by imura art gallery」、「石塚源太 「Primary Surface」by ARTCOURT Gallery」を開催中です。

有楽町から銀座方面へ向かった先で出会うのは、長年銀座と時間を共にした、ソニービルを建て替え、新たな形で今年の1月にオープンしたばかりのGinza Sony Park。ここでは、6組のアーティストとコラボレーションするユニークなプログラム「Sony Park展 2025」のPart 1を開催中です。

3月初めには、有楽町の東京国際フォーラムにて、日本最大規模の美術の祭典「ART FAIR TOKYO19」が開催されます。国内外からも多数のギャラリーが集まるこのイベントと時と場所を同じくして開催されるのは、SBIアートオークションの「第70回SBIアートオークション|Bloom Now」です。旬なアーティストの作品をギャラリーやオークションハウスを通して楽しむのはいかがでしょうか。



目次
1. 東京ステーションギャラリー「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」
2. アーティゾン美術館「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」
3. 三菱地所株式会社×公益財団法人彫刻の森芸術文化財団「丸の内ストリートギャラリー」
4. 三菱一号館美術館「異端の奇才――ビアズリー」
5. 日本現代美術商協会「CADAN有楽町CURRENT」
 ・新平誠洙 by ARTCOURT Gallery
 ・高瀬栞菜個展「Read Your Diary」by imura art gallery
 ・石塚源太 「Primary Surface」by ARTCOURT Gallery
6. Ginza Sony Park「Sony Park展2025」
7. 「ART FAIR TOKYO19」
8. SBIアートオークション「第70回SBIアートオークション|Bloom Now」



1. 東京ステーションギャラリー「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」2025年1月25日(土)-2025年3月16日(日)

左:展覧会チラシ/Exhibition Flyer
中央:《切った玉ねぎ》1965年、豊田市美術館/Onion Halved, 1965, Toyota Municipal Museum of Art
右:《ガラス瓶の中のつる草》1986年、個人蔵/Vines in a Glass Jug, 1986, private collection

東京駅丸の内駅舎内にある東京ステーションギャラリーでは、2025年1月25日(土)から2025年3月16日(日)にかけて、「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」が開催されています。宮脇綾子(1905-1995)は、日常の何気ない風景や食材を題材にし、独自のアプローチで布や紙を使った作品を制作したアーティストです。作家は、アップリケやコラージュという手法を用いながら、観察力に基づいた細やかな表現が特徴であり、一般的な工芸の枠を超えた独創的な芸術として評価されています。

本展では、宮脇が制作した150点以上の作品を、「観察と写真」「断面と展開」「多様性」「素材を活かす」「模様を活かす」「模様で遊ぶ」「線の効用」「デザインの志向」というそれぞれのテーマに沿って展示を行い、彼女がどのように日常のモチーフをアートに昇華させたのか、その制作プロセスを追います。特に、魚や野菜の断面を捉えた作品や、身近な布の柄を活かした造形表現は、シンプルながらも豊かな発想力を感じさせます。また、宮脇の作品には、日本の伝統的な手仕事の美意識と、モダンな感覚が融合しており、現代のデザインや工芸にも通じるエッセンスが詰まっています。


2. アーティゾン美術館「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」2025年3月1日(土)-2025年6月1日(日)

左:人形劇「鹿の王」のための人形の前のゾフィー・トイバーとジャン・アルプ、1918年、チューリヒ Photo: Ernst Linck Stifung Arp e.V., Berlin/ Rolandswerth
中央:ゾフィー・トイバー=アルプ《オーベット 200(ストラスブールのオーベットのバーの天井デザイン》1927年、アルプ財団、ベルリン/ローラントシュヴェルト
右:ジャン・アルプ《貝殻=帽子》1965年、アルプ美術館バーンホフ・ローランズエック Photo: Mick Vincenz

東京駅の八重洲口より徒歩圏内に位置するアーティゾン美術館では、2025年3月1日(土)から2025年6月1日(日)にかけて、「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」展の開催が予定されています。20世紀前半の前衛芸術を代表するアーティスト・カップル、ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ。本展では、それぞれの個人作品とともに、二人のコラボレーションによる作品など計88点の作品が展示されます。トイバー=アルプは、絵画やテキスタイルデザイン、建築など多分野で活躍し、幾何学的抽象表現を探求しました。一方、アルプは、詩人としての感性を生かしながら、偶然性を取り入れたコラージュやレリーフ、彫刻を手掛けました。

二人はダダ、構成主義、シュルレアリスムなど様々な芸術運動に関与しながら、互いの創作に影響を与え続けました。本展では、アルプ財団をはじめとした作品を中心に、カップルというパートナーシップを背景とした創作の可能性やこの時代を生き抜いた女性作家の立場、その時代に重要視されていた芸術ジャンルのヒエラルキーなど、20世紀の美術における普遍的なテーマを探ります。


3. 三菱地所株式会社×公益財団法人彫刻の森芸術文化財団「丸の内ストリートギャラリー」
2025年2月26日時点
左:名和晃平《Trans-Double Yana(Mirror)》2012年
中央:ジム・ダイン《展望台》1990年
右:イゴール・ミトライ《眠れる頭像》1983年

東京駅から有楽町へと向かう途中、人々を迎えるのは、東京駅周辺・丸の内エリアのメインストリートである丸の内仲通りを中心に、子供から大人まで楽しめる世界で活躍する現代アーティストの作品を展示している「丸の内ストリートギャラリー」です。1972年に、三菱地所株式会社と公益財団法人彫刻の森芸術文化財団が、芸術性豊かな街づくりを目指しスタートしたプロジェクトで、近代彫刻の巨匠から若手アーティストまで幅広い作家の19点の彫刻作品が通り沿いに展示されています。数年に一度入れ替えも行われるこのギャラリーは、都会のビル群の間にアート作品を溶け込ますような展示で街そのものを美術館のような空間へと生まれ変わらせます。


4. 三菱一号館美術館「異端の奇才――ビアズリー展」 2025年2月15日(土)-5月11日(日)

左:本展チラシビジュアル
中央左:オーブリー・ビアズリー《アーサー王は、唸る怪獣に出会う》1893年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London
中央右:オーブリー・ビアズリー《サロメの化粧Ⅱ》1907年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London
右:オーブリー・ビアズリー《詩人の残骸》1892年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London

メインストリートである丸の内仲通りから一本横の通りに入ったところに位置する三菱一号館美術館では、2025年2月15日(土)から2025年5月11日(日)にかけて「異端の奇才――ビアズリー展」を開催しています。
19世紀末のイギリスで活躍し、わずか25歳でこの世を去った異端の天才、オーブリー・ビアズリー(1872-1898)。本展は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)との共同企画として、彼の短くも激動の画業をたどる大規模回顧展です。ビアズリーは、白と黒のコントラストを生かした精緻な線描、装飾性の高い構成、そして大胆なモチーフで知られ、イギリスの唯美主義運動を代表するアーティストのひとりとして、現在も高く評価されています。

展覧会では、彼の出世作であり初期の作品である、マロリー著『アーサー王の死』の挿絵(1893-94)や、オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』(1894)(英訳版)の妖艶な世界観を描いた名作、さらにはゴーティエ著『モーパン嬢』(1898)の晩年の傑作まで、約220点を一堂に展示します。V&Aの世界有数のコレクションから150点が特別に来日し、ビアズリーの初期から最晩年までの作品を網羅する貴重な機会となっています。

彼の作品は、単なる装飾画にとどまらず、時に風刺的であり、社会への反骨精神やブラックユーモアを秘めています。ワイルドとの関係や、世紀末芸術の文脈でのビアズリーの役割にも焦点を当て、本展では彼の芸術と生き様をより深く探求します。美しくも挑発的なビアズリーの世界を堪能できる本展を、ぜひお見逃しなく。


5. 日本現代美術商協会「CADAN有楽町CURRENT」2025年2月18日(火)-2025年3月9日(日)
丸の内を抜けて有楽町へと移動すると日本現代美術商協会が運営するギャラリースペースCADAN有楽町があり、新進気鋭のアーティストたちの作品を紹介しています。現在3つの展示を2025年2月18日(火)から2025年3月9日(日)にかけて開催中です。

・新平誠洙 by ARTCOURT Gallery

《Reflection #29》、2024、油彩、アルキド樹脂、キャンバス、162x162cm/Photo: Takeru Koroda

CADAN有楽町のSpace Sでは、「新平誠洙 by ARTCOURT Gallery」展が開催中。新平誠洙は、時間の経過や光学的現象をテーマに、絵画における時間と空間の表現を探求するアーティストです。本展では、彼の代表的なシリーズ《Reflection》の新作を展示。AIが学習した肖像画のデータをもとに、異なる条件で生成されたイメージを重ねることで、「二重性」や「対立する概念」を視覚化する試みを行います。

仏教用語の「二而不二(ににふに)」に着想を得た本作では、相反する要素が共存しながらも、1つのものとして成り立つことに焦点を当てています。ガラスの反射のように重なり合うイメージが、現代の視覚文化の多層性やAI技術がもたらす新たなリアリティを浮かび上がらせます。デジタルとアナログ、具象と抽象、リアルと幻想が交錯する独特の作品世界を、ぜひ体験してください。

・高瀬栞菜個展「Read Your Diary」by imura art gallery

《部屋の馬》、2024、キャンバスに油彩、194×324cm、2024

CADAN有楽町のSpace Mでは、「高瀬栞菜個展『Read Your Diary』by imura art gallery」展が開催中。高瀬は、日常で感じたことを言語化し、それを基に絵画を構成する独自のスタイルを持つアーティストです。本展「Read Your Diary」では、昨年の京都府新鋭選抜展で特別展示された大作とともに、新作が加わり、彼女の言葉が絵画として具現化された作品群が展示されます。

高瀬の作品は、言葉で表現しきれない感情や記憶を、動物や植物、日常のモノに置き換えて描くことで、ユーモラスな空気を漂わせます。鑑賞者は、彼女の作品の中に自身の経験や感情を重ね合わせることで、まるで他人の日記を覗くような感覚を得ることでしょう。親しみやすい色彩と奥深い物語性が織り成す、高瀬栞菜の独特な世界観をぜひご体感ください。

・石塚源太 「Primary Surface」by ARTCOURT Gallery


《Untitled (Faded gold)》 、2025、金箔、漆、麻布、2wayトリコット、ポリエチレンフォーム|乾漆技法、25 x 19.6 x 18.8 cm、Photo: Takeru Kotoda

CADAN有楽町のSpace Lでは、漆をテーマに独自の造形表現を追求する「石塚源太「Primary Surface」by ARTCOURT Gallery」展が開催中。石塚は、漆が持つ光沢や皮膜の質感を活かしながら、触覚的で身体的な感覚を刺激する作品を制作。漆を塗り重ねることで生まれる奥行きや、光の反射による変化を取り入れ、生命の躍動を感じさせる独自の表現を確立しています。

本展では、漆に形を与えることでその表面のつやや動きをもたせ、それらを漆のふるまいとして躍動させる《Taxis》シリーズを中心に、木の樹液としての漆が、支持体と交わることで新たな形へと変容するプロセスを探求し、偶然と必然が交錯する造形美が展開されます。漆の持つ伝統的な技法と現代的なアプローチが融合し、単なる工芸の枠を超えた、新たな表現の可能性を提示する展覧会です。

本能的な感覚に訴えかける作品群を通じて、漆が持つ美しさや奥深さを再発見する機会となるでしょう。


6. Ginza Sony Park「Sony Park展2025」2025年1月26日(日)-2025年6月22日(日)

©Ginza Sony Park Project

有楽町から銀座方面へ向かった先で出会うのは、長年銀座と時間を共にした、ソニービルを建て替え、新たな形で今年の1月にオープンしたばかりのGinza Sony Parkで、現在6組のアーティストと組んだユニークなプログラム「Sony Park展 2025」のPart 1を開催中です。

Ginza Sony Parkの第一弾プログラムとして開催される「Sony Park 展 2025」は、音楽・テクノロジー・アートを融合させた革新的な体験型イベントです。本展では、ソニーの6つの事業領域である「音楽」「半導体」「ファイナンス」「ゲーム」「エンタテインメントテクノロジー」「映画」をテーマに、Vaundy、YOASOBI、羊文学、BABYMONSTER、Creepy Nuts、牛尾憲輔といったトップアーティストたちが参加し、それぞれの楽曲やクリエイティブな世界観を表現するオリジナルプログラムを展開します。

前半の「Part 1」(1月26日(土)~3月30日(日))では、アーティスト3組との展示が開催されています。地下2階では、「音楽は、旅だ」をテーマとし、Vaundyが選んだ約200曲の楽曲の積み重なりで構成された「音楽の地層」を旅するような没入型体験ができます。3階では、YOASOBIのプログラムとして「半導体は、SFだ。」をテーマに、来場者ひとりひとりの「心音オブジェクト」を作り、そのオブジェクトとともに楽しむインタラクティブな展示が開催されています。4階では、羊文学のプログラムとして「ファイナンスは、詩だ。」をテーマに、楽曲と水・光が融合する幻想的な空間が生み出され、音楽と言葉がたゆたうプログラムが登場します。後半の「Part 2」(4月20日(日)~6月22日(日))では、BABYMONSTER、Creepy Nuts、牛尾憲輔によるゲーム・テクノロジー・映画をテーマにしたプログラムが展開されます。

単なる展示にとどまらず、来場者が実際に体験し、参加できるコンテンツが充実。音楽・アート・テクノロジーが交差するGinza Sony Parkならではの新感覚のアートイベントにぜひご注目ください。


7. 「ART FAIR TOKYO19」2025年3月7日(金)-2025年3月9日(日)

左:Art Fair Tokyo 19 メインヴィジュアル
中央上下、右:2024年会場風景

日本最大級のアートフェアとして知られる「ART FAIR TOKYO19」が、2025年も東京国際フォーラムにて2025年3月7日(金)から2025年3月9日(日)開催されます。19回目となる今回は、国内外から139軒のギャラリーが参加し、新たに13軒のギャラリーが加わるなど、さらに規模を拡大。キービジュアルには、日本を代表する写真家・森山大道の作品を採用し、日本のアートシーンの現在を象徴するフェアとなることが期待されています。

本フェアは、日本のアートマーケットの成長を牽引するプラットフォームとして、古美術から近代美術、現代アート、工芸まで幅広いジャンルの作品が集結し、世界中のアートコレクターやギャラリスト、アートファンが一堂に会し、作品の売買のみならず、ネットワーキングの場としても注目されています。また、各ギャラリーの展示ブースの大型化や、多彩なプログラムの企画が予定されており、例年以上に充実した内容となる見込みです。

一般向けチケットは早割から当日券まで複数の種類が用意されており、入場者に応じた柔軟な価格設定がされています。日本のアート市場が国際的に発展する中で、最新のアートシーンを体感できる貴重な機会となるこのイベントを、ぜひお見逃しなく。


8. SBIアートオークション「第70回SBIアートオークション|Bloom Now」2025年3月6日(木)-2025年3月8日(土)

Courtesy of SBI Art Auction

SBIアートオークションは、記念すべき第70回目を迎え、2025年3月6日(木)から2025年3月8日(土)にかけて、東京国際フォーラムにて「第70回SBIアートオークション|Bloom Now」の下見会とオークションを開催いたします。タイトルを新たに「Bloom Now」とし、国内外の巨匠から現代の気鋭アーティストまで、アートシーンを彩る名作が一堂に集います。

本オークションでは、国内外の巨匠から現代の気鋭アーティストまで、多彩な名作が一堂に集結。奈良美智の《The Little Thinker》、草間彌生のモノクロームの《かぼちゃ》、李禹煥の《With Winds》といった注目作品が登場します。

また、写真作品も充実しており、アンドレアス・グルスキーの壮大な構図が際立つ《Em Arena II, Amsterdam》や、リチャード・アヴェドンの伝説的なポートレート《Nastassja Kinski and the Serpent》などが出品予定。さらに、加藤泉の生命感あふれる彫刻、ロッカクアヤコの鮮やかな少女画、千住博の荘厳な《ウォーターフォール》、ジャン・ミッシェル・バスキアのエネルギッシュな《Cabeza, from Portfolio II》など、ジャンルを超えた魅力的な作品が揃います。

本オークションは「ART FAIR TOKYO」と同時開催され、特別キャンペーンも実施予定。SBIアートオークションに登録している方や、ART FAIR TOKYO19のチケットをお持ちの方には、オークションカタログやコーヒー、オリジナルトートバッグをプレゼント。アートフェアの来場者も楽しめる内容となっています。春の訪れを、心躍るアート作品とともに迎えてみませんか?




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PRESS - 2025.02.26

アートの春を彩る「Bloom Now」、東京国際フォーラムで限定イベント開催 -アートウィークをより楽しむ特別キャンペーン!オリジナルグッズを手に入れよう!-

2025年3月8日(土)に開催される「第70回 SBIアートオークション|Bloom Now」にあわせて、アートウィークをより一層楽しんでいただける特別PRキャンペーンを実施いたします。
本イベントでは、オークションに親しむきっかけを提供するため、ドリンクやオリジナルグッズを数量限定で無料配布いたします。SBIアートオークションにご登録のお客様、またはアートフェア東京のチケット・パスをお持ちのお客様を対象に、お楽しみいただける内容となっております。

アートが街を彩るこの特別な1週間、東京国際フォーラムの会場にぜひ足を運び、オークションの魅力に触れるとともに、アートウィークをもっと楽しむ特典や限定グッズを手に入れる機会をお見逃しなく!また、本オークションは「Art Fair Tokyo」と同時開催となります。年に一度のアートの祭典と併せて、春の訪れを、心躍るアート作品とともに迎えませんか?

Enjoy the Auction & get special gifts! 
特典内容
【STEP 1】オークションカタログ & コーヒープレゼント!
地上広場では、オークションの世界観を体験できるカタログと、リラックスしながらアートを楽しめるコーヒーを数量限定で無料配布いたします。
・日程:2025年3月6日(木)-2025年3月8日(土)11:00~
・場所:東京国際フォーラム 地上広場
・協力:Cona Café

【STEP 2】オリジナルトートバッグプレゼント!
オークションカタログの持ち運びにも便利なオリジナルトートバッグを先着順でプレゼント。
スタイリッシュで実用性の高いデザインは、オークション会場を訪れる記念にもぴったりです。
・日程:2025年3月6日(木)-2025年3月8日(土)
・場所:東京国際フォーラム ホールD7(3/6-7)、D5(3/8)




■オークション&下見会実施概要
「第70回SBIアートオークション|Bloom Now」

オークション
・日時:2025年3月8日(土)13:00-
・会場:東京国際フォーラムホールD5(〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-5-1)

下見会
・日時:2025年3月6日(木)-3月8日(土)11:00-
・会場:東京国際フォーラムホールD7(〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-5-1)

プレスビュー
・日時:3月6日(木)10:00-11:00
※メディアの方限定、ご来場ご希望の場合はあらかじめご一報いただけますと幸いです。

※会場、もしくは、電話、書面又はオンライン入札にてご参加ください。
※オークションの進行状況はYouTubeから視聴できます。
 YouTube Streaming:https://www.youtube.com/channel/UC32a7MUOI-xI1DY-CghG-KA
※詳細はウェブサイトをご確認ください。
https://www.sbiartauction.co.jp/lp/2025_03_08/jp/

■SBIアートオークションとは

20世紀以降のコンテンポラリーアートを中心に、モダンアートや写真・デザイン・工芸など、多岐にわたりお客様のライフスタイルを彩る良品をご紹介する公開型オークションです。登録顧客の国籍は63か国、落札総額の約5割を海外顧客の落札が占める(※)など、国内随一の国際性を誇ります。日本のアートマーケットを象徴する作家の作品はもちろん、国内オークションへの出品が少ない海外作家の作品も積極的に紹介し、日本のアートマーケットの成長・拡大に取り組んでいます。(※)2025年1月現在

■オークション参加について
オークションは売却額を競り上げる方式で行われます。
初めて参加くださるお客様には、事前の登録をお願いしております。
オークションで作品を購入する方法の詳細は、以下のページでご確認いただけます。
購入方法詳細:https://www.sbiartauction.co.jp/buy-sell/buy/

■今後のオークションスケジュール(予定)
第71回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
開催日:2025年4月11日(金)、12日(土)

第72回SBIアートオークション|MODERN AND CONTEMPORARY ART
開催日:2025年5月23日(金)、24日(土)

■SBIアートオークション株式会社
美術品のオークション、売買、売買仲介、ファイナンス、アドバイザリー等、お客様のニーズに応じて、国内外の幅広いネットワークを活用した多角的な事業を展開しています。サービスの提供を通じて、より多くの方に美術品を所有する喜びや大切さ、面白さを伝えていくと同時に、美術品を永く大切にし、次の代につないでいくお手伝いをしております。

会社名:SBIアートオークション株式会社
代表者:代表取締役 藤山友宏
所在地:東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館
設立:2011年4月1日
HP:https://www.sbiartauction.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/sbiartauction/
※当社ウェブサイトを装ったなりすましにご注意ください。



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PRESS - 2025.02.07

Bloom Now|春の訪れを祝う、名作と出会うアートオークション -目覚めの季節に、世界を彩るアートが集結-

SBIアートオークション株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:藤山友宏)は、2025年3月8日(土)、東京国際フォーラムにて「第70回SBIアートオークション|Bloom Now」を開催いたします。オークションタイトルを新たに「Bloom Now」とし、国内外の巨匠から現代の気鋭アーティストまで、アートシーンを彩る名作が一堂に集います。春の訪れとともに、心躍るアート作品との出会いをお楽しみください。

今回のオークションには、奈良美智の《The Little Thinker (No. YNF5386)》が登場します。奈良の作品は、少女像が特徴的ですが、本作では少女が思索にふけるような表情を浮かべつつ、穏やかな微笑みをたたえている点が印象的です。幼少期の記憶や感情を想起させるような奈良の作品は、国内外で高い評価を得ており、本作もまた必見の一作です。また、今回登場する草間彌生の《かぼちゃ》は、白黒のモノトーンで描かれたアクリルのキャンヴァス作品で、本オークションのトップロット(当該セールの中で最も高い落札予想価格(エスティメート)が設定されたロット)となります。一方、韓国と日本の戦後美術を代表するアーティストの一人、李禹煥の《With Winds》は、昨年10月のオークションでも登場した作家の代表的なシリーズの一つです。本作はF30 号の横型作品となり、限られた色調ながら、力強い筆致が印象的な一作です。

また、今回のオークションは写真作品も充実しており、そのなかでも注目はアンドレアス・グルスキーの《Em Arena II, Amsterdam》です。まるで絵画のように壮大でありながら細部まで綿密に計算された構図が、圧倒的なインパクトを与えます。このほか、リチャード・アヴェドンの《Nastassja Kinski and the Serpent, Los Angeles, California, June 14》も出品されます。

人気の高い作家の作品としては、加藤泉の彫刻作品が登場。葉のシルエットや生命の原点を思わせるフォルムが特徴的で、観る者に原始的なエネルギーを感じさせます。そのほか、ロッカクアヤコの《Untitled》は、作家の代表的な少女のモチーフを、赤を基調とした背景に描いた作品で、華やかな色彩のなかに神妙な表情を浮かべる少女は、人々の興味を誘います。さらに、日本画の伝統を現代に昇華させた千住博の《ウォーターフォール》も注目作品の一つです。滝の流れの描写を通じて感じる水の動き「動」と、画面全体を覆うような静けさ「静」が美しさを織りなします。ストリートアートから現代アートへと作品を昇華させたジャン・ミッシェル・バスキアの《Cabeza, from Portfolio II》。見開かれた目、長く伸ばして描かれたような首や他に比べ細かく描かれた口元などを持つ画面中央に描かれた人物像は、作家特有のビビットな色使いを背に、抽象的でありながらも人々の注目を惹きつけます。
春の訪れを、心躍らせるアート作品とともに迎えるのはいかがでしょうか。また、本オークションは「Art Fair Tokyo」と同時開催となります。年に一度のアートの祭典と併せてお楽しみください。

実施概要
「第70回SBIアートオークション|Bloom Now」
オークション
・総出品数:93点
・日時:2025年3月8日(土)13:00-
・会場:東京国際フォーラムホールD5(〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-5-1)

下見会
・日時:2025年3月6日(木)-3月8日(土)11:00-
・会場:東京国際フォーラムホールD7(〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-5-1)

※会場、もしくは、電話、書面又はオンライン入札にてご参加ください。
※オークションの進行状況はYouTubeから視聴できます。
 YouTube Streaming:https://www.youtube.com/channel/UC32a7MUOI-xI1DY-CghG-KA
※詳細はウェブサイトをご確認ください。
 https://www.sbiartauction.co.jp/lp/2025_03_08/jp/(2025年2月14日(金)公開予定)

■出品作品ハイライト 
※オンラインカタログ(2025年2月14日(金)公開予定)https://www.sbiartauction.co.jp/auction/catalogue/128


■SBIアートオークションとは

20世紀以降のコンテンポラリーアートを中心に、モダンアートや写真・デザイン・工芸など、多岐にわたりお客様のライフスタイルを彩る良品をご紹介する公開型オークションです。登録顧客の国籍は63か国、落札総額の約5割を海外顧客の落札が占める(※)など、国内随一の国際性を誇ります。日本のアートマーケットを象徴する作家の作品はもちろん、国内オークションへの出品が少ない海外作家の作品も積極的に紹介し、日本のアートマーケットの成長・拡大に取り組んでいます。(※)2025年1月現在

■オークション参加について
オークションは売却額を競り上げる方式で行われます。
初めて参加くださるお客様には、事前の登録をお願いしております。
オークションで作品を購入する方法の詳細は、以下のページでご確認いただけます。
購入方法詳細:https://www.sbiartauction.co.jp/buy-sell/buy/

■今後のオークションスケジュール(予定)
第71回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
開催日:2025年4月11日(金)、12日(土)

第72回SBIアートオークション|MODERN AND CONTEMPORARY ART
開催日:2025年5月23日(金)、24日(土)

■SBIアートオークション株式会社
美術品のオークション、売買、売買仲介、ファイナンス、アドバイザリー等、お客様のニーズに応じて、国内外の幅広いネットワークを活用した多角的な事業を展開しています。サービスの提供を通じて、より多くの方に美術品を所有する喜びや大切さ、面白さを伝えていくと同時に、美術品を永く大切にし、次の代につないでいくお手伝いをしております。

会社名:SBIアートオークション株式会社
代表者:代表取締役 藤山友宏
所在地:東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館
設立:2011年4月1日
HP:https://www.sbiartauction.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/sbiartauction/
※当社ウェブサイトを装ったなりすましにご注意ください。



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AUCTION - 2025.01.28

【落札結果&次回出品募集】第69回 SBIアートオークション|Modern and Contemporary Art

2025年1月25日、26日開催のオークション「Modern and Contemporary Art」の落札結果をご報告をいたします。
ご参加いただき誠にありがとうございました。

総額:608,321,250円
落札率:93.9%

>> 落札結果 [オンラインカタログ]
>> 落札結果 [PDF]

◆落札結果ハイライト
落札価格には手数料(消費税別)が含まれています。


Lot. 085
草間 彌生
無題
40,000,000 - 70,000,000 JPY
Price Realized 65,550,000 JPY



Lot. 031
山口 長男
小さい窓
8,000,000 - 14,000,000 JPY
Price Realized 20,125,000 JPY



Lot. 086
奈良 美智
In the Floating World (Complete set of 16) (YNF2558 - 2573)
15,000,000 - 25,000,000 JPY
Price Realized 29,900,000 JPY



Lot. 087
奈良 美智
火の山 (No. YNF5387)
2,500,000 - 3,500,000 JPY
Price Realized 7,820,000 JPY



Lot. 005
アンディ・ウォーホル
Chicken Noodle, from Campbell's Soup I (F. & S. Ⅱ.45)
5,000,000 - 8,000,000 JPY
Price Realized 11,500,000 JPY



Lot. 009
ゲルハルト・リヒター
Haggadah (P2)
2,000,000 - 3,000,000 JPY
Price Realized 5,750,000 JPY



Lot. 112
ロッカク アヤコ
Untitled
8,000,000 - 14,000,000 JPY
Price Realized 16,100,000 JPY



Lot. 156
ミスター
河川敷 少女の逆光 まぼろしかな 夕暮れの 少女眩しく 河川敷かな
900,000 - 1,400,000 JPY
Price Realized 4,600,000 JPY



Lot. 096
名和 晃平
PixCell-Toy-Miffy #7
1,500,000 - 2,500,000 JPY
Price Realized 2,875,000 JPY

◆開催予定と出品募集
第70回 SBIアートオークション|Bloom Now
開催日:2025年3月8日(土)
下見会:2025年3月6日(木)- 8日(土)
出品受付は締め切りました。

第71回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION
開催日:2025年4月11日(金)- 12日(土)
出品受付締切:2025年2月18日(火)
出品をお待ち申し上げております。

査定は下記からお申込みいただけます。
ご検討くださいますようお願いいたします。
>> 査定依頼

◆問合せ先
SBIアートオークション
TEL: 03-3527-6692 FAX: 03-3529-0777
Email: artauction@sbigroup.co.jp

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