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AUCTION - 2024.02.09

[Highlight] 小島 信明 | 無題 | 2024年3月 Tokyo Contemporary: Redefined

2024年3月9日に開催の第63回 SBIアートオークション|Tokyo Contemporary: Redefinedの中から、注目作品をご紹介いたします。

福井県大野市に生まれた小島信明は、1958年から読売アンデパンダン展を中心に「ハプニング」の要素を取り入れた作品を発表し始めた。篠原有司男などの「反芸術」の作家たちと交流し、特に「アメリカ・ポップ・アート」の影響を受けたFRP樹脂製の立像作品で注目を集めた。その後渡米して活動を継続し、帰日後も現在に至るまで活発な活動を続けている。

《無題》と題された本作は、赤白のストライプの布に覆われ、顔の隠れたサラリーマン風の立像である。FRP樹脂製の像の表面は荒れており、塗られたラッカーがなまめかしく濡れている。赤、白、青の鮮やかな色合いが目を引く一方で、男性の顔が見えないため、彼の感情や考えを読み取ることができずに、観察者にもどかしさを与える。この不気味な人型には、言い知れぬ喪失感が漂っており、高度経済成長時代の、人間性を喪失しつつある日本社会の状況をそのまま表しているともいえる。また、顔を覆う布はアメリカを象徴する星条旗でもある。小島は1962年の第14回読売アンデパンダン展にも、紅白幕を登場させている。それは、紅白幕の前に置かれたドラム缶の中に、自身が一日中立ちつくす「ハプニング」的なパフォーミングアーツだった。だが、その後1964年には、小島の制作が脚光を浴びるきっかけとなった読売アンデパンダン展は「反芸術」との対立が強まり打ち切られることとなった。そうした一連の動きの後の小島の制作の一つとしての立像は、既成の美術を暴力的に否定する「反芸術」の時代が終わり、アメリカのポップな表現を取り入れつつも、「シラケた」日本社会の状況に立ち尽くす人々の姿を、皮肉を効かせて表現する方法へ転換していく様子を如実に示している。

* 福井県立美術館学芸課 後々田寿徳編『福井の美術・現代Vol. 1: 1990年7月20日~8月12日 小島信明編カタログ』福井県立美術館、1990年、4-7頁参照。

Lot. 075

Lot.075 小島 信明
無題
ラッカー、FRP
171.5 × 80.0 × 45.0 cm (67½ × 31½ × 17¾ in.)
来 歴:個人蔵、アメリカ
展覧会:2019年10月30日-12月14日「Japan Is America: 1952-1985」ファーガス・マカフリー、ニューヨーク
JPY 5,000,000 - 8,000,000
USD 35,200 - 56,300

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