AUCTION - 2022.10.12
[Highlight] リチャード・セラ | T.W.U. #14 | 2022年10月 モダン&コンテンポラリーアートセール
2022年10月28日、29日に開催の第54回 SBIアートオークション|Modern and Contemporary Artの中から、注目作品をご紹介いたします。
「ドローイングの重量は、ペイントスティックの層の数だけではなく、主にドローイングの形状に由来するものである」
Richard Serra : Drawings, Zeichnungen 1969-1990, Benteli Verlag, 1991
リチャード・セラは、金属板を用いた大型の彫刻作品によって広く知られているが、彼の描くドローイング作品もまた作家の創作活動において重要な位置を占め、その独自性は世界的に高い評価を得ている。
セラのドローイングに対する評価が決定的となったのは2011 年から2012 年にかけて開催された大規模な回顧展である。ドローイングを特集したこの展覧会はニューヨークのメトロポリタン美術館、サンフランシスコ近代美術館、そしてテキサス州ヒューストンにあるメニル・コレクションというアメリカの著名な美術館を巡回し、大きな反響を呼んだ。
セラにとってのドローイングとは、単なる彫刻作品の習作ではなく、二次元の支持体における空間的な鑑賞体験の可能性を探求するための一つの独立した表現であり、一般的にその言葉から想起される素描や線画とは大きく性質の異なるものとして位置付けられている。1981 年に制作された「T.W.U. #14」は、セラが思い描く立体的な彫刻から平面的なドローイングへの芸術的変容の好例であり、その創作の源となったのは、セラ自身により1980 年にニューヨークのトライベッカにある地下鉄の入り口に設置された高さ36 フィートの3 枚の垂直金属板からなる巨大な彫刻作品「T.W.U.」である。タイトルはこのプロジェクトの成功に尽力した運輸労働組合 (Transport Workers Union) に敬意を表して名付けられ、作品の設置場所の固有性を重視した「場の彫刻(サイト・スペシフィック)」の概念に基づき制作された記念碑的作品のひとつとして美術史上にその名を刻んでいる。
彫刻の設置から1 年後、セラは「T.W.U.」の強固な身体性を紙上に再現することを試みる。厚みのある漆黒のペイントスティックによって表された長方形の3つの面は、荒々しくも迷いのないストロークで画面いっぱいに練り重ねられている。長方形の左側面のラインは下部に向かって斜めに描かれ、不均衡な余白を残すことにより重量の視覚化に奏功。ワックス状のペイントスティックが持つ物質的な質感と、支持体である紙の儚さとの対比は、ダイナミズムと動的な空間を作品にもたらし、素材の物理的性質による視覚的な効果を明らかにしている。
Lot.275 リチャード・セラ
1981
T.W.U. #14
ペイントスティック、紙
127.0 × 96.5 cm
来歴:
Blum Helman Gallery、ニューヨーク
KOH Gallery、東京
個人蔵、日本
文献:
「Richard Serra : Drawings, Zeichnungen 1969-1990」Benteli Verlag、1991年、P. 232、No. 189
「Thomas Lawson : Exhibition review, Artforum Vol. 19, April 1981」 P. 68 (illustrated)
JPY 6,000,000 - 9,000,000
USD 42,900 - 64,300
作品詳細・参加申込はこちら
【お客様登録(初めての方)】
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以下4とおりの方法でご入札いただけます。
A. 会場入札
B. 書面(委託)入札
C. 電話による入札
D. オンライン入札
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書面(委託)、電話、オンライン入札は、ウェブサイトからお申込みいただけます。
是非この機会にお試しください。
※お申込みにはアカウントが必要です。(登録済みのお客様で、ログインアカウントを取得されていない方、お持ちのアカウントでログインできない方は、お手続ください。)
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参加申込期限:
[Lots. 001-148] 2022年10月27日 (木) 17:00迄
[Lots. 149-309] 2022年10月28日 (金) 17:00迄
※参加申込受付完了メールが届かない場合
当社からのメールが迷惑メールと判定を受けたことにより、届いていない可能性がございます。当社ドメイン@sbigroup.co.jp / @sbiartauction.co.jpが受信できるよう、メール受信許可の設定をお願いいたします。
「ドローイングの重量は、ペイントスティックの層の数だけではなく、主にドローイングの形状に由来するものである」
Richard Serra : Drawings, Zeichnungen 1969-1990, Benteli Verlag, 1991
リチャード・セラは、金属板を用いた大型の彫刻作品によって広く知られているが、彼の描くドローイング作品もまた作家の創作活動において重要な位置を占め、その独自性は世界的に高い評価を得ている。
セラのドローイングに対する評価が決定的となったのは2011 年から2012 年にかけて開催された大規模な回顧展である。ドローイングを特集したこの展覧会はニューヨークのメトロポリタン美術館、サンフランシスコ近代美術館、そしてテキサス州ヒューストンにあるメニル・コレクションというアメリカの著名な美術館を巡回し、大きな反響を呼んだ。
セラにとってのドローイングとは、単なる彫刻作品の習作ではなく、二次元の支持体における空間的な鑑賞体験の可能性を探求するための一つの独立した表現であり、一般的にその言葉から想起される素描や線画とは大きく性質の異なるものとして位置付けられている。1981 年に制作された「T.W.U. #14」は、セラが思い描く立体的な彫刻から平面的なドローイングへの芸術的変容の好例であり、その創作の源となったのは、セラ自身により1980 年にニューヨークのトライベッカにある地下鉄の入り口に設置された高さ36 フィートの3 枚の垂直金属板からなる巨大な彫刻作品「T.W.U.」である。タイトルはこのプロジェクトの成功に尽力した運輸労働組合 (Transport Workers Union) に敬意を表して名付けられ、作品の設置場所の固有性を重視した「場の彫刻(サイト・スペシフィック)」の概念に基づき制作された記念碑的作品のひとつとして美術史上にその名を刻んでいる。
彫刻の設置から1 年後、セラは「T.W.U.」の強固な身体性を紙上に再現することを試みる。厚みのある漆黒のペイントスティックによって表された長方形の3つの面は、荒々しくも迷いのないストロークで画面いっぱいに練り重ねられている。長方形の左側面のラインは下部に向かって斜めに描かれ、不均衡な余白を残すことにより重量の視覚化に奏功。ワックス状のペイントスティックが持つ物質的な質感と、支持体である紙の儚さとの対比は、ダイナミズムと動的な空間を作品にもたらし、素材の物理的性質による視覚的な効果を明らかにしている。
Lot.275 リチャード・セラ
1981
T.W.U. #14
ペイントスティック、紙
127.0 × 96.5 cm
来歴:
Blum Helman Gallery、ニューヨーク
KOH Gallery、東京
個人蔵、日本
文献:
「Richard Serra : Drawings, Zeichnungen 1969-1990」Benteli Verlag、1991年、P. 232、No. 189
「Thomas Lawson : Exhibition review, Artforum Vol. 19, April 1981」 P. 68 (illustrated)
JPY 6,000,000 - 9,000,000
USD 42,900 - 64,300
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A. 会場入札
B. 書面(委託)入札
C. 電話による入札
D. オンライン入札
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参加申込期限:
[Lots. 001-148] 2022年10月27日 (木) 17:00迄
[Lots. 149-309] 2022年10月28日 (金) 17:00迄
※参加申込受付完了メールが届かない場合
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