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NEWS - 2023.01.11

Annual Report



SBIアートオークション株式会社は2012年2月に第1回オークションを開催して以来、昨年で10年の節目を迎えました。これもひとえに皆さまからの多大なるご支援の賜物であり、改めて深く御礼を申し上げます。

この10年間で開催したオークションの数は50を超え、設立から今日までの取引額の増加を受けて、当社の取り組みに対して国内外から多くの興味・関心をお寄せいただいております。当社のオークションに参加をいただいている方々はもちろんのこと、これまでご関心をお持ちではなかった方々にもアートの素晴らしさやアート市場の面白さを知っていただければと思い、この度初の試みとなるアニュアルレポートを作成いたしました。

「アートで人生を豊かに」をモットーに、アート業界のすそ野を広げ、アート市場の活性化と健全な発展に寄与することを当社の使命としております。本アニュアルレポートが、現代アート市場の今を知るための一助となれば幸いです。

図1:SBIアートオークションの歩み(現代アートセールのみ抽出)

  
 図1:SBIアートオークションの歩み(現代アートセールのみ抽出)



【要約】

■ 前年比の1.5倍となる落札総額69.3億円を記録、オンライン配信型セールが定着
2022年は計7回のセールを開催。セール形式にかかわらず、いずれのオークションも高い落札率とエスティメート下限からの伸び率を記録し、過去最高の成績を収めました。

■ 落札価格帯ボリュームゾーンの上昇変化
最も多い価格帯は100-499万円台で、2020年と比較して比重の拡大(17.9%→24.5%)が見受けられます。また、特に上半期は高価格帯のロットを取り揃えた影響で1,000-4,999万円台も増えており、高価格帯まで競り上がるマーケットの力が強まっている様子がうかがえます。こうした平均落札価格の上昇が、2022年の結果につながりました。

■ 若年層コレクターのプレゼンスの高まり
落札者の年代別比率で、40代以下が全体の6割を占めました。当社が取り扱う現代アートと若年層コレクターの相性が良いというばかりでなく、若い世代のアート購入に対する積極性が増している様子がうかがえ、日本のアートマーケットの明るい未来を期待させるものでもあります。

■ ワールド・レコード樹立、若手作家の積極的な紹介―マーケットのトレンドセッターとして
地位が確立している作家の市場価格をさらに押し上げるとともに、実力のある若手作家やこれまでオークションでの取扱いがなかった作家の発掘及び発信を積極的に行いました。今後も日本のアートマーケットの活性化に寄与すべく邁進してまいります。



【2022年開催オークション概要】

当社は、会場型、オンライン配信型及びそのハイブリッド型の併せて計7回のオークションを開催しました。出品総数2,320点、平均落札率96.8%、落札総額69.3億円、エスティメート下限からの伸び率は平均245.4%となり、取扱い作品1点当たりの落札額の上昇を受けて、前年よりさらに落札総額を増やす結果(前年比152.2%)となりました。


表1:2022年オークション実施概要
  (各セールの詳細及び落札結果は、開催日及び落札総額のリンクからそれぞれご確認いただけます)

開催日   

会場型

ロット数

落札総額

落札率

1/28-29

ハイブリッド型

492点

10.9億円

99.8%

3/12

会場型(記録動画)

75点

12.8億円

98.7%

4/15-16

オンライン配信型

397点

3.4億円

97.5%

5/27-28

会場型

297点

14.2億円

96.0%

7/15-16

ハイブリッド型

329点

8.5億円

93.9%

9/16-17

オンライン配信型

422点 

4.9億円

96.4%

10/28-29

会場型(記録動画)
      
308点

14.6億円

95.1%




2020年8月国内初完全無観客オークション開催における導入以来、プラットフォームの技術改良を重ねているオンライン配信型セールは、従来の会場型セールに劣らぬ賑わいを見せており、今日その利便性からオークションの一形態として定着しています。例えば、2022年開催のオンライン配信型セールの落札率は平均96.95%で、会場型セールの平均落札率96.6%に比肩する結果となっており、エスティメート下限からの伸び率でもオンライン配信型セールは2.3倍、会場型セールは2.2倍と、同等の水準を記録しています。また2022年のセールにおいては、オンラインシステムから参加のお客様による高価格帯ロットの落札も相次ぎ、リアルとオンラインの垣根は益々取り払われてきているように見受けられます。

セールの参加者数は延べ4,971名、国外36か国からご参加いただきました。近年の現代アートマーケットへの関心の拡大を受け、参加者数に占める新規参加者の比率は1セール当たり平均37.5%となりました。

落札者数は計1,163名で、国内7割に対し海外からの落札が3割となり、海外に劣らない国内の競りの強さと層の厚さがうかがえる結果でした。海外落札者数の内訳はアジア圏68%、ヨーロッパ17%、アメリカ13%となりました。うち、アジア圏としては台湾、香港、韓国がそれぞれ3割ずつを占める構成で、台湾や香港の堅調さに加えて、市場成長を背景とした韓国の購買力が引き続き目立つ形となりました。年代別で見ると、40代以下の落札割合が6割を占めており、若年層の顧客の存在感が増しています。

図2:セール落札者数年代別比率
図2:セール落札者数年代別比率(2022年。法人の場合は法人代表者又は取引責任者の年代を集計。)




【2022年企画セール「Tokyo Contemporary: Redefined」】

当社では例年、モダン&コンテンポラリーアートセール及びLIVE STREAMセールに加え、特別セールを企画・実施しております。2020年のワインセール、2021年の日本初のNFTアートセールに次いで、2022年は、日本のアートマーケットの更なる発展の一助とするべく、日本最大級の国際アートフェア「アートフェア東京」との初の同時期開催となる企画セール「Tokyo Contemporary: Redefined」 を開催。プライマリーマーケットを担うギャラリーが多数集うアートフェアと、セカンダリーマーケットでの存在感を増しているオークションが隣り合い、会場となった東京国際フォーラムは春の東京のアートシーンの祝祭的な熱気に包まれました。

アンディ・ウォーホル、イヴ・クライン、オスカー・ムリーリョ、河原 温、李 禹煥等、国内外の現代アートマーケットで名高いアーティストによる選りすぐりの作品75点から成る「Tokyo Contemporary: Redefined」セールは大きな盛り上がりを見せ、落札率98.7%、落札総額12.8億円を記録しました。トップロットは草間 彌生の「INFINITY NETS」で、落札額は1.61億円となりました。(セールの様子を納めた当社オークション紹介動画はこちら )
また、本セール開催にあわせ、アートフェア東京の北島輝一氏をお迎えし、トークショー「金融マーケットから見た日本のアートマーケット」 を実施。金融のバックグラウンドをもつ北島氏ならではの視座を交え、日本のアートマーケットの現状と展望について考える貴重な機会となりました。(記録動画はこちら )

本年3月には、昨年に引き続き「アートフェア東京」との同時期開催となる企画セールを東京国際フォーラムで開催いたします。セールの開催にあわせ、新たなテーマでトークショーを実施する予定ですので、ご期待ください。

画像1, 2:企画セール「Tokyo Contemporary: Redefined」オークション風景
画像1, 2:企画セール「Tokyo Contemporary: Redefined」オークション風景



【2022年のトピック別TOP3ロット】

2022年のオークションに出品された作品の中から、カテゴリー毎の落札結果をランキング形式でご紹介いたします。

■高額落札TOP3

表2:2022年高額落札ランキング
表2:2022年高額落札ランキング
(詳細はこちら 1: ロッカク アヤコ「Untitled」  2: 草間 彌生「INFINITY NETS」 3:  草間 彌生「蝶 [TWWEN] 」

高額落札ランキングでトップを飾るのはロッカク アヤコ100×150cmのキャンヴァス作品。エスティメート下限の4.6倍となる1億8,400万円で落札され、国内外オークションにおける作家の過去最高額(ワールド・レコード)を更新しました。2位、3位には草間 彌生のアクリル画がランクインし、作家の長きにわたる不動の人気を物語っています。特筆すべきは落札者の参加方法で、いずれもオンラインシステムを通じて落札されています。かつては億を超える高価格帯の作品は電話又は会場入札が主流でしたが、コロナ禍を経た今は価格帯を問わず、オンライン入札に対する心理的障壁が取り払われている様子がうかがえます。



■エスティメート下限からの伸び率TOP3

表3:2022年伸び率ランキング
表3:2022年伸び率ランキング
(詳細はこちら 1: 今井 麗「Cooking in 3min」  2: 武田 鉄平「絵画のための絵画 012」 3:  佐藤 誠高「Star 9」

エスティメートからの伸び率は、マーケットにおける注目の度合いを反映しています。最も高い伸び率を見せたのは、“日常の中のかけがえのない瞬間”を暖かなまなざしで描く作家、今井 麗の2018年作のキャンヴァス作品。国内外のコレクターから多くの問合せ及び入札をいただき、エスティメート下限の32倍を超える1,955万円で落札されました。次点は、第54回セールカタログの表紙を飾った武田 鉄平のパネル作品で、国内外のオークション初出品ながら2022年最多の入札数を記録しました。



■当社オークション初出品作家TOP3

表4:2022年初出品の注目作家ランキング
表4:2022年初出品の注目作家ランキング
(詳細はこちら 1: 武田 鉄平「絵画のための絵画 012」  2: 友沢 こたお「slime XXXII」 3:  水戸部 七絵「Elizabeth Ⅱ」

当社オークションにて初出品となる作家の作品は、その注目度の高さから2022年のセールでも好成績を残しています。1999年生まれの友沢 こたお、1988年生まれの水戸部 七絵など、日本の現代アートの今を体現する若い世代の作家も多く活躍しており、今後の展開が期待される作家も数多く存在しています。当社は現代アートに特化したオークションハウスとして、日本やアジアのまだ知られていない実力ある作家を世界に向けて発信・紹介する役割を担ってまいります。


■SNS人気作品TOP3

表5:2022年SNS投稿エンゲージメント率ランキング(当社オフィシャルInstagramアカウント上の投稿に対するいいね、コメント、保存、シェア等リアクションの割合(エンゲージメント率)を集計し、上位3つを選出。)
表5:2022年SNS投稿エンゲージメント率ランキング
(詳細はこちら 1: KYNE「Untitled」  2: Backside works.「MANEATER gold」 3:  TIDE「PLAY at HOME」

当社Instagramアカウントは14,500人超のフォロワー数を数え(2022年12月13日時点)、2022年は425件の投稿について計26,186のいいねをいただきました。特にKYNE、Backside works.、TIDEとストリートアートの作品に対する強い反応が見受けられました。当社では、静止画による出品作品の紹介だけでなく、下見会やセールの様子を収めた動画を含む様々なコンテンツを公開しております。プロモーションツールとしてだけでなく、ユーザーの皆様とのコミュニケーションツールとして今後もより一層SNS発信に注力してまいりますので、皆様どうぞご期待ください。
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【2023年のSBIアートオークション】

■ 上期のスケジュール
新年第一弾となるオークションは1月28日・29日にハイブリッド形式で開催、3月には「アートフェア東京」との同時期開催となる企画セールを東京国際フォーラムで開催いたします。その後、4月、5月とオークションの開催が続きますが、これらのオークションへの出品を只今受け付けております。査定は弊社ウェブサイト「査定依頼」ページよりお申込みいただけます。ご検討くださいますようお願いいたします。

2023年のスケジュール


■ オフィス移転のお知らせ
事業規模拡大に伴い、2023年2月より当社オフィスを有明TFTビル内の7Fから6Fへ移転することとなりました。新しいオフィスにはLIVEスタジオやギャラリースペースを併設、これを機にさらなるサービスの向上を図り、皆様のご期待に添えるよう一層の努力を重ねていく所存です。今後ともご支援・ご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。



問合せ先
SBIアートオークション株式会社 広報担当 加来・岡村
〒135-0063 東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館
Tel. 03-3527-6692 Fax. 03-3529-0777
Mail. artauction@sbigroup.co.jp
Web. https://www.sbiartauction.co.jp/



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